2013年11月30日土曜日

都会に戻る

早朝5時頃にモーチットのバスターミナルに着き、タクシーで帰宅。
このあたりでタクシーをつかまえるのが難しく、
いつも少し歩いて人が少ないところでつかまえる。
タクシーの運転手さんにここ最近のデモの様子を聞く。
どこも渋滞だねえという話。
家に着いてもうひと眠り。

昼、いつものパパーおばさんのタイラーメン屋さんと
その隣のカフェーボーラーン(昔ながらのスタイル)でコーヒー。

体が疲れているので今日は休養日。
家でゆっくり。
ムーバーン(住宅街)のあたりもデモの喧噪は感じられない。
集めたセブンイレブンのシールを台紙に貼る。
集めると傘やござなどのグッズがもらえる。




他人には思えないセブンの子。


夜、ニュースをチェックするとちょうどランプーンに行っていたあたりから
デモが激しくなって、今日初めて死者が出た。
ラムカムヘン大学の学生と赤シャツのグループが衝突した。
死者が出て初めて、日本でやとデモの報道が大きくされたようだ。
一ヶ月も前からしていたデモなのに、
今さらかという思いと、デモ=暴力的みたいなイメージにならないかと心配。

2013年11月29日金曜日

ランプーン3日目

3日目もコーヒーで朝が始まる。
ピーGoiがチェンマイで買って来てくれたパンにはちみつをかけて食べる。


コーヒータイムの後、
木工細工を商売にしているお店、工場を何軒か見学。




象だらけ。
こんなにも象が売れるのか。
アメリカから来たDBの親戚も象を買ってたけど。
でもあんまり細かいつくりをしてなくて工業的だった。
OTOPブランドの布製品が売っている村へ。
高品質のタイパンツが100バーツ。お土産用もあわせて3着買う。

Dhamaパークに戻ってお昼。
お昼のあと、準備と宴疲れで今日はみんなサバイサバイモード。
昼寝や釣りをしてのんびり。


たまたまコットンの布づくりをしに、働きにきているおばちゃん2人に出会う。
本当は土曜日だけど今日は特別に来たという。
私も体験させてもらう。
おばちゃんはするするとこなすけど、
見ているよりもずっとむずかしい。
DBもあとから来て参加。
一番初めの行程。とれたての木綿をほぐす作業。
弓のようなものでバシバシするとふわっとなる。


糸状になった木綿。

オイル缶をまくらに昼寝しているアチャーンに声をかけ、
帰ります、というと
その前に友人の芸術家のアトリエに連れていってくれた。

一人の芸術家は今ギャラリーを建設中。


ガーデンアーティストと呼ばれる芸術家のアトリエ。
庭園の花の絵がたくさん。

どの芸術家もおしゃべりが好きだ。
それに比べてアチャーンInsonは口数が少なくて、
一見説明下手のように見えるけどアチャーンInsonのスタイルが好きだ。
帰り、チェンマイ行きのロットゥー(乗りあいワゴン)の停車場まで送ってくれて
別れはあっさり。
バンコク行きの夜行バスの数がチェンマイの方が多いので北上。
ぎゅうぎゅうのロットゥーに1時間程乗ってチェンマイに到着。
降りる場所を間違えたりなんたりしてるともう時間がなくなり、
とりあえず晩ごはんを急いで食べる。
「アルーンライ」という有名なお店。
どれも美味しい北部地方の料理。ゆっくり食べたかった。



それから赤いソンテオに乗ってバスターミナルまで直行。
バスの中で今回の旅のことを思い出す。
アチャーンのところで働いてる人達はみんな優しかった。

アチャーンInsonが手伝ってくれないかと言って声をかけられた人達。

聞いてみると、昔はドイツのホテルで働いていたシェフだったり、
銀行員だったり、ごはん屋さんをしていたり、有名な彫刻家の子孫だったり。
見た目は完全に農家のおっちゃんなのにハーレーに乗って帰っていったりする。
それなのに今はのんびりしたランプーンで生活している。
たぶんそれぞれ事情があったんだろうとDBは言っていた。
アチャーンはその人達の給料やDhamaパークの電気、水道代などを支払わなくてはいけない(結構膨大な額)。
彫刻、絵画、家具づくり、アクセサリーのデザインなどなんでもつくるし
毎日作品をつくって働いている。
ランプーンに住んでいる人達に仕事をあげて助けあっている。
オイル缶をまくらにして寝ているアチャーンを見てDBは
なんか世界がわかった気がすると仏教的なことを言っていた。
(たぶん枕は枕じゃなくても良いみたいな)
とにかくアチャーンInsonは偉大で超自然体な人だった。
そして大きい鼻と笑い方が太田省吾さんに似ていて、思い出していた。

2013年11月28日木曜日

ランプーン2日目

朝7時、アチャーンの「コーヒー飲むぞ」という声で起こされる。
今日もプンがデロンギのエスプレッソメーカーで入れてくれた。
タイのお菓子も朝早くからアチャーンと買いにいったらしい。
アチャーンInsonはなかなか私の名前を覚えてくれない。
何度言っても「みこ」「みき」「みきこ」となる。

儀式の祭壇のある場所へ行くと
さらにお菓子や果物、豚の頭やアヒルの丸焼きなどが飾られていた。
プン達が私たちよりも早く起きて準備したのだと思う。




アチャーンと奥さんの両親の写真や
タイの近代芸術の父、アチャーンSinの像も飾られていた。
奥さんのお母さんが女優らしく、超絶美人な人が写真に写っていた。
朝ごはんにおかゆを食べる。
にんにく油も入れて体があったまる。
朝ごはんを食べ終わった頃、儀式に参列するお客さんが続々とやってきた。
アチャーンの友人の芸術家、その家族、近所の人など30人くらい。
まだまだ始まらなさそうなので散歩がてら集落の中の写真を撮る。
本当に広い敷地。


私たちが泊まった家。


古いスタイルのゴミ箱。ゴム製。
ラオスでも見たけどかわいい。


戻ってくると学生がギャラリーのTシャツを買い、
アチャーンと奥さんのサイン会が始まっていた。
少しして、ゆるりと儀式が始まった。
白い服を来たアチャーンと奥さんが祭壇の前に座り、
アチャーンが手紙のようなお経のようなものを読む。
みんな写真をバシャバシャ撮りまくる。
手紙を読み終えて、「はい、終わり」とあっけなくアチャーンは言う。
その後植物に水を含ませて、
アチャーンがみんなの頭に水をかけていく。
ナショナルアーティストの聖水。
お供えのお菓子や果物を食べたり、談笑したり。
気球も飛ばす。

タイの国旗柄やみどりと白の格子柄。
私たちもギャラリーグッズのカバンを買って、
アチャーンにサインしてもらう。
綿の丈夫なカバンにアチャーンの版画がプリントされている。
そのまま皆でお昼にカオマンガイを食べる。
朝ごはん、おやつ、昼ごはんの間に時間が空いてなくてずっと食べている。
ここに来て太ったと、ここで生活している人はいう。

儀式が終わるとギャラリーのスタッフや弟子の男たちは
お酒を飲み、休憩モード。
家政婦の二人は夜のカントーク(お祝いの時に食べるタイ北部の伝統的料理)の
準備で追われている。
女は働いて男は酒を飲む図。
一応、祀っていた豚の頭を焼きながら料理の仕込みも手伝っていた。


庭師のおじさん達と話しているうちに
学生たちとアチャーンが彫刻刀屋さんに行ってしまい
DBが自分も行きたかったのに!と悔しそうにしていた。
北部地方は木の彫刻が盛んで良い道具も売っている。
DBは次の制作に使うから見に行きたかったのだ。
まあ置いて行かれたものはしょうがないとおじさんたちとおしゃべり。





犬のババとブブ。
お祭りモードで顔に化粧されてる。


ちょっと昼寝して起きると
カントークの赤い机が並べられ、
ラムタイ(タイの伝統的踊り)をする学生がリハーサルをやったり
さらにバタバタしていた。


もち米を袋につめたり、たいまつの火を灯したり手伝う。


あっという間に暗くなり、夜の部が始まる。
音楽を聞きながらカントーク料理を食べる。
自分達が手伝ったゲーン・ケーもあった。


満腹になって来た頃に踊り子が登場。
手の先がピンとしてきれい。
コムローイを飛ばす。


音楽や踊り子の学生達が帰ったあと、
オーがギターを弾き、歌いながら
イサーンの学生達も輪になって飲んで、歌って宴。


酔っぱらった学生たちに日本人だと珍しがられ
日本語を教えるとキラキラした目で聞いてくれる。
大学生でこんなキラキラした目、日本人でできるだろうか。
もう眠さが限界になってきた頃、トイレと言ってそっと抜け出し、また沈没。

2013年11月27日水曜日

ランプーン一日目

朝6時に到着。


アチャーンInsonのアトリエに行くまでロッヨン(乗り合いバス)に
乗らないと行けない距離。
朝8時以降じゃないと正規の値段で行ってくれないので
周辺を散歩して朝ごはんを食べられる場所を探す。
途中、お寺を撮影しようとしたら犬の集団に詰め寄られてあせる。
少し冷えるのであったかいお粥でも食べたかったけど見つからず。
DBも初めて食べる、鶏の肉団子のからあげ「ガイジャーク」ともち米を
地元の学生にまじって食べる。
朝早過ぎて、学校の近くのこの店しか開いていなかった。

ロッヨン乗り場に戻ってもまだ8時ではなく、
仕方なく100B払ってアチャーンのアトリエまで向かう。
降りて、地図を確認してさあ行こうと思ったら
向かいから自転車に乗ったアチャーンとお弟子さんに偶然出会う。
トゥクトゥクに似た乗り物にのってアトリエへ向かう。


アトリエというか、家がたくさんあって一つの村の集落のよう。
ある家はギャラリー、ある家は宿、ある家はアチャーンの家、アトリエ。









アチャーンの奥さんも紹介される。
奥さんはイギリス人の彫刻家で美人。タイ語もすごく上手。
奥さんのギャラリーもある。


アヒルや犬がうろうろ。動物が多い。
アヒルが群れになって移動しているのが面白い。
途中でアチャーンが版画を削り出す。
わずか数十秒でできあがり。



ツアーが終わって、コーヒータイム。
弟子、というかここで先生の生活や作品の手伝いをしながら、
自身も制作活動をしている男たちが5人くらいここで生活をしている。
その内の一人、プンがコーヒーをいれてくれた。
昔コーヒーの入れ方を勉強をしたという。
アカ族という山岳民族のコーヒー豆ですっきりして美味しい。
コーヒータイムが終わって、儀式に使う飾りをつくる手伝い。
北部地方でよく見るランタン。
アチャーンオリジナルのデザイン。
学生のときの文化祭の準備をしているような気持ち。


ひといきついたところでお昼ごはん。
アチャーンのところで働いてる庭師、運転手、弟子、家政婦さん達みんなでごはん。
できたての牛肉のラープ(東北風サラダ)ともち米はむちゃくちゃ美味しかった。
生のラープ、牛の内蔵と胆汁のソースもいただく。
牛の生肉には自信がなかったので控えめに食べる。
地元の人もおっちゃんしか食べてなかった。
北部地方のおっちゃんは珍味好きなのか。


お昼のあと、飾りづくりもすぐ終わって
次はお供えを配置。
庭師の人がカットしたココナッツ、バナナ、かぼちゃやパパイヤを
アチャーンの指示のもと祭壇代わりのテーブルに配置。
房になったココナッツはかなり重い。




「コンテンポラリーアート」「アーティストネバーダイ」とか言いながら
弟子たちは違う飾りをつくっていた。




お昼を過ぎると来客が次々にやってくる。
アチャーンがつくった家具を運び出しに来る人や、
政府の文化部署からナショナルアーティストをケアするためにやってきた
ピーゴイと知り合う。
私たちとそんなに歳が変わらない気さくな人。
バンコクから自分で運転して来たという。


やることがなくなり、家政婦のパーシーを手伝う。
バーイ・パック・ペットの葉っぱとドーク・ケーという花の下処理。
明日のカントーク料理に使う。
それも終わって手持ちぶさたになり、
早朝から起きていたため眠くなって昼寝。
一時間程して起こされ、
市場にお供えの果物と花を買いに行く。
プンが車を運転。
その前にアチャーンおすすめの豚のからあげ屋さんで夕ごはん。
アトリエの方で食べるんじゃないかと思ったけど、
たぶんここを紹介してくれたのだと思う。
豚肉ともち米。
こっちの人は肉食なんかな。


市場に行くとアチャーンはあまり迷いもなく目についたものから買っていく。
オレンジを5kg、りんご10パック、パイナップルとぶどうもいくつか。
花も両手で抱えきれないくらいの束を購入。
帰り道に近所に住む人に頼んでいた
果物をのせる用のバナナの葉でつくられたお皿を受けとる。
毎年頼んでる様子。
街の人も良い意味で巻き込んでの儀式。お祭りだ。

帰るとやっぱりみんな別のものを食べていた。
イサーン(東北地方)から大学生の団体が来ていて、
アチャーンは学生達にアトリエの案内をする。
友人の芸術家も来たりと忙しそう。
その間私たちはお弟子さん達とお酒を飲む。
お酒はタイのウォッカとサメ印の栄養剤とリポビタンDみたいなものを
ミックスしたオリジナル。
甘くてきついしそんなに美味しくない。
ショットでまわしのみ。


陽気なオーがギターを演奏して歌う。
コムローイも飛ばしたり。爆竹付き。
爆竹の一部が肩にあたる。


のんびりした楽しい夜。
デモで騒いでいるバンコクのことを忘れてしまう。
少し酔っぱらってきた頃にカウボーイみたいな格好に着替えたアチャーンがやって来て、
ピーゴイとDBと三人で儀式の花を飾る手伝い。
バナナの葉でできた儀式用のお皿に白い小さい花をさしていく。
全部終わって気がつけば0時。
アチャーンは先に床についた。
シャワーを浴びて沈没。